行政・諸団体の取り組みとお知らせ

3・11を忘れない ~被災地のいま~ 第56回~

全国の生協では、東日本大震災を忘れないとりくみをすすめております。
みやぎ生協から届いた被災地・宮城のいまをお伝えします。

第56回 2018年4月5日

被災地で起業して7年
「事業体としてもっと強くならなければならない」

7年前、被災地で起業による地域再生を目指した人たちがいます。農水産物の六次化、
コミュニティ形成といったそれらの事業は、震災で浮彫りになった過疎化や高齢化、経済
縮小など地域の喫緊の課題と深く関わるものばかりでした。
震災前から女川町のまちづくりに関わっていた湯浅輝樹さんは、被災後の女川の惨状を
見て絶句しました。「働く場所を失った漁業者はこの先どうなるのだろう。何か、新たな
仕事をつくり出さなければならないと思った」と当時をふり返ります。
4月、湯浅さんは仙台の木工クリエイターと一緒に、女川で「小さな復興プロジェクト」を
立ち上げました。借りた倉庫に木工機械と原材料を持ち込んで地元の人を雇用し、魚の形の
木工品「onagawa fish(女川フィッシュ)」を作って販売したのです。震災直後の
起業は明るい話題としてメディアに採り上げられ、商品は飛ぶように売れました。作り手は
被災した人たち。「買ってもらうと勇気が湧く」と喜び合ったそうです。
被災地で生まれた復興商品の多くはいま、“支援”から“ニーズ”へと局面が変わりつつ
あります。「一部の方々は現在も応援の気持ちで購入してくださっているが、一方で
どんなに良いモノを作ってもニーズが無ければ商品は売れない。いまそこで苦労している
」と話します。
人々から震災の記憶が薄れ、復興が進むにつれて、厳しい状況に直面することも増え
ました。「女川町のまちづくりに覚悟を持ってのぞんでいる」という湯浅さん。社名「株式
会社onagawa factory(女川ファクトリー)」には、木工品・革製品・食品のもの
づくりで新しい女川の文化を発信していくとの思いが込められています。「厳しい状況は
続くが、このまちに事業を残していくには、事業体としてもっと強くならなければ
ならない」と決意を新たにしています。

◎(株)onagawa factoryの商品は「とうほくてしごとカタログFUCCO」vol2(P13-14)でご紹介しています。
http://www.miyagi.coop/support/shien/handmade/

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